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●インディゴ「木藍=モクラン」とタイセイの違いについて●

 

【意味の違う植物名】
インディゴ入りヘナ商品で、インディゴのことを「木藍(キアイ)」と書き「モクラン」と言う商品があります。江戸時代から使われて来たという伝承話を重ねることで、日本人にとって馴染みのあるような錯覚をうえつけようともしています。
ところが国語辞典を開くと「もくらん」は染め色の名称を意味していますが、インディゴとは異質の色となります。植物も全く違う物でした。

もくらん
(1)木蓮(もくれん)の異名。
(2)染め色の名。赤みを帯びた灰黄色。上代は黄橡(きつるばみ)と同色とされた。織り色では経(たて)黒、緯(よこ)黄。
(3)襲(かさね)の色目の名。表は黄、裏は黒。四季通用。

あい【藍】
(1)タデ科の一年草。インドシナ原産。古く、中国を経て日本に渡来。高さ6、7センチメートルになり、秋に薄紅
色の小花をつけ、黒褐色の痩果(そうか)を結ぶ。藍染めの染料をとるため、古くから各地で栽培されていた。タデアイ。
(2) (1) の葉からとる染料。主成分、インディゴ。現在では工業的に合成され、天然のものは少ない。→藍染め

【植物染めの代表ともいえる「藍染め」について】
日本のにあるタデアイ(植物)は藍染めの染料として使われています。タデアイは中国から古代(7世紀以前)に入ってきたもので、江戸時代には徳島県がタデアイの特産地でした。
その製法は、刈り取った葉をきざみ一度乾燥させた後、屋内で適度な水を散布しながら温度管理をして自然発酵させます。この期間は約100日になり、この行程を経て藍染め染料の原料を取り出したものです。これが「藍(アイ)」と呼ばれる染料になります。
インド産出のインディゴはキアイ(植物)というもので、12〜15世紀のシルクロード交易の代表的なものでした。これは沈殿法という方法を用います。キアイを水に浸けて成分を抽出させます。その水を発酵させ沈殿した成分を乾燥させ固めたものが「インディゴ」と呼ばれる染料となります。
どちらも発酵という行程を経ています。成分抽出という過程を経て濃縮しているインドの製法は、タデアイよりも商品的には色が濃く出せたので「藍染め」の主力となりました。ここまでは藍染めの「染料」を製造する行程です。

次に、繊維染めの方法を説明します。まず藍の「染料」ですが水には溶けません。そこで染料を発酵させるための栄養素(小麦の皮=ふすま)とアルカリ製剤(焼却灰)を水と混ぜ、その中に染料を入れて1週間程発酵させます。発酵と還元という作用によって水溶性の染色剤へと変化させ、染色液として使うことができるようになります。ここで染色すると柔らかい黄色に染まります、そして空気で酸化させることで青色に発色させます。この作業を繰り返すことで、色の濃い藍染めが完成します。これが藍染めの行程になります。

以下、代表的な藍染めを目的とした植物です。
タデアイ(タデ科)学名:Polygonum tinctorium Lour.
キアイ 学名:Indigofera tinctoria L. (日本ではインド藍という)
ナンバンコマツナギ  学名:Indigofera suffruticosa Mill.(熱帯アメリカ原産)
大青(アブラナ科) 学名:Isatis tinctoria L.(英woad 独waid 仏Pastel)
植物から抽出する藍の染料は、古代から世界各地で利用されてきたというのが理解されると思います。

【タイセイの説明】
タイセイ(大青)は、古くはエジプト文明から使われてきた染料でした。タイセイは乾燥させることで藍の成分を形成します。それを昔ながらの粉引きの原理で、石のローラーと石の臼を使う事で染料の原料としました。
この粉を水に浸すことで藍の染料が抽出でき、空気に酸化させることで青色に発色します。この簡単な染料は、
発酵を経て抽出する藍の染料に比べれば色の成分が少ないので、シルクロード交易が盛んになる中で消滅の運命をたどることになります。

【藍色に染まる行程】
植物の葉に含まれるインジカン(無色)という物質を、分離・抽出します。
発酵を通してインドキシル(無色)という物質で安定した状態にします。
そのインドキシルを酸化させるとインディゴ(青色)へと発色します。
タイセイは発酵という行程は必要ありません。

【タイセイの歴史と文化】
アラビアの湾岸地方では古くから結婚式の時に、タイセイとヘナを混ぜた染料を利用して女性の手や足にタトゥー(入れ墨)を描く文化があります。
これは、ヘナに含まれるローソンという成分がタンパク質と結びつく性質を利用して、 タイセイに含まれているインジカンを結合させて褐色に発色させたものです。
またケラチンというタンパク質を持つ髪の毛も、タトゥーと同じ原理で白髪を褐色に染める方法としても利用されてきました。
なおヘナのタトゥーは新陳代謝 によって消えますが、白髪を染めた場合は簡単に色落ちするようなことはありません。

ヘナとタイセイについての詳しい説明はコチラ